true harmony

短文文化のこの時代に、感じたこと、考えたことを徒然なるままに。

『凪のあすから』は、海という比喩を使って恋愛を、最も美しく表現した作品だ。

f:id:djkazma69:20160403194100j:plain

アニメレビューサイト『あにこれ』で平均得点ランキング12位にランクインしている『凪のあすから』というアニメがある。そして、僕はこの作品の製作会社P.A.WORKSつくるアニメが全部すきだ。

だから、この作品も真っ先に観る予定だったのだけど、海底に住む人間と、地上に住む人間のお話ということで、そのSF設定に入り込める自信がなくて、ずっと観ないでいた。

しかし、先日一気に観て、印象がまったく変わった。この作品において、『海』は必要不可欠で、『海に住む人』という設定も必要不可欠だ。こんなにもSF的な設定が物語の中で活かされている作品ははじめて観たくらいだ。

この作品の主題は、少年少女の恋愛だ。恋愛を描く作品なんて、途方もなく巷にはあふれていて、恋愛をえがくのにSFの設定なんて不必要かもしれない。だけど、この作品に限っては必然なのだ。海という比喩を用いて、恋愛をここまで美しく表現できるのかと、しびれっぱなしで観ていた。

映像も本当に美しい。独特なコントラストがはじめ明るすぎると感じたが、馴染めば馴染むほど、この作品において、これ以上の形はないだろうと思わされる。そう、音楽も、絵も、声優も、物語も、設定も、何もかもがジャストフィットしているのだ。まさに職人芸だ。

アニメは、ヲタクコンテンツとして敬遠されがちだが、僕はこの会社の作る作品は間違いなく、一つのジャンルとして確立できると思っていて、ジブリや細田作品と近い立ち位置にあると感じる。

アニメだからこそ描けるものもある。ぜひ、一度観てほしいアニメです。


「凪のあすから」PV