true harmony

短文文化のこの時代に、感じたこと、考えたことを徒然なるままに。

【楽曲紹介】『東京』がテーマの曲って、なんか良い。

東京をテーマにした曲

ぼくは東京をテーマにした曲を無性に聴きたくなることがたまにあります。今日はそんな東京の曲を紹介します。

東京はずーっと未知の世界で、高校の見学旅行では、なんだか怖い場所だと思いました。あのころの僕は道外にすら行ったことがなくて。だから物語で見る「サラリーマンが大変そう」、という窮屈なイメージだけがずっとあったのです。

でも、大学生になって就活やカタリバで、東京に何度か足を運ぶようになります。そして懐かしい空気につつまれた下町に幾つも出会いました。高円寺も浅草も木場も、どこも居心地のよい場所です。

「東京」がテーマの曲は、夢と現実のギャップに悩んでいたり、なんだかなつかしい匂いがしたりして、そんなところが僕はすきです。

6曲だけ、紹介させていただきます。

1. 銀杏BOYZ - 東京

君と別れて僕は石ころになって 蹴っ飛ばされて転がって疲れた 出会えた喜びはいつも一瞬なのに どうして別れの悲しみは永遠なの

僕と別れて君は仕事を辞めて 新幹線に乗って郡山へ帰った
車窓から眺めた空は何色だっただろう 君の心の色は何色だったろう

銀杏BOYZの東京が1番好きだなあ。東京に残る”僕”と、地元に帰る”君”の対比で、「帰っていく君が車窓からどんな景色を見て、どんな気持ちになるんだろう?」と寂しく想像を膨らます様子が感傷的。東京でこれからも生きていく寂しさと力強さが共存してるのがまた良くて。 上京してしばらく経ったら、この曲を聴きながら昔をなつかしんだりしたいです。

2. くるり - 東京

東京の街に出て来ました あい変わらずわけの解らない事言ってます

恥ずかしい事ないように見えますか 駅でたまに昔の君が懐かしくなります

上京した人から、ふるさとにむけた手紙のような曲です。再生するとはじめに聴こえてくるギターの音とイントロのメロディーを数秒聴いただけで、曲全体の温度が伝わってきます。こんなにもイントロが曲のすべてをものがたっている曲は、なかなかありません。

3. ヒグチアイ - 東京

東京で生きる、手を振って出てきたあのまちを 全て置いてきたのに

いつのまにか増えていた荷物は捨てなくちゃ
何も掴めない あたしは選べない

聴いているとただよってくる雰囲気や、空気感がすきな曲。これもくるりと同じくふるさとにあてた手紙のよう。ヒグチアイさんは、松本佳奈さんにも少しにていて、ノスタルジックなメロディーを書くのがうまいアーティストです。いい曲をたくさん書いているのでおすすめです。

4. チャットモンチー - 東京ハチミツオーケストラ

ハチの巣みたいだ 東京 働きバチの行列だ

私はまだやわらかな幼虫 甘い甘い夢を見てる

はじめの3曲は過去をなつかしむような曲でした。対照的に、上京したばかりの高ぶるきもちを描いた詩です。初々しさにあふれていて、わくわくどきどきしてくる曲。 でもそれだけじゃなくて、「忙しそうなサラリーマンがたくさん」っていう現実を見つめている面もあるんですよね。

上に引用した歌詞で、「甘い夢を見てる」と言っているのは、「いつか自分も働きバチになる」と諦観している意味にも聴こえます。チャットモンチーの曲はかわいらしいけど、どこか寂しそうな雰囲気もあるのは、こういう主観と、現実的な客観視のコントラストのせいなのかな。

書きながらふと、「甘い」と「ハチの巣」って深い意図があるのかな?って気になりました。大人が蜜をつくるハチなら、幼虫の私が見る甘い夢は大人がつくった幻想のようだ。だから歌詞に”そんなに甘くはないよって 早く誰か教えてよ”  “夢が夢でなくなる東京”ってあるのかもしれません。

脱退したドラムの高橋久美子さんが作詞をしています。高橋さんの歌詞は「生活感」がふんわりとただよってきます。「親知らず」もそうで、背伸びせず、背を向けず、「ただ現実を受けとめる」姿勢で、やさしい言葉を使い、景色を凝縮しています。

ちなみに、新アルバムの「いたちごっこ」はこの曲のアンサーソングだと個人的に思います。

5. 福山雅治 - 東京にもあったんだ

いま以上 自分以上に なりたかったんだよ 急いで 急いで…
勝つために覚えたこと この街のルールに 少しだけ染まったよ

お願いだ 涙は隠さないでくれ
お願いだ 心は失くさないでくれ

福山はあまり聴かないんだけど、中学生のころに聴いていたのが懐かしくて紹介しました。上の歌詞がせつなくていいなって。

6. 長渕剛 - とんぼ

コツコツとアスファルトに刻む足音を 踏みしめるたびに

俺は俺で在り続けたい そう願った

王道のなかの王道「長渕剛」さん。東京という渦に飲みこまれそうになるけど、もがきながら強く生きていこうとする様を感じます。

“死にたいくらいにあこがれた 東京のバカヤローが” ってフレーズは情けなくもあるけど、なぜかカッコいいんだよなあ。長渕さん補正なのかな?(笑)

ちなみにキーを上げるとスネ夫の声になる(らしい)。

この自衛隊基地での隊員激励LIVEの映像が大好きなんです。長渕さんかっこいいし、自衛隊のみなさんが熱い。この一体となった空気感、会場にいた人は忘れられないんだろうなあ。

東京についての歌は何百曲もあります。おすすめがあればぜひおしえてくださいね。