true harmony

短文文化のこの時代に、感じたこと、考えたことを徒然なるままに。

【ゆるめるモ!】4人時代の変遷とアイドル界の異端児としての魅力

新年一発目のライブはゆるめるモ!でした。ゆるめるモ!は6人での解散LIVEの時が、人生初アイドルの単独ライブで、それ以来、リリースツアーのFINAL公演は大体参加している。

今日のライブを見て、過去に参加したライブのことも振り返ったので、まとめて書かせていただきます。この記事を通して、ゆるめるモ!に興味を持ってくれたり、昔好きだったけど離れている人がまた聴こうと思うきっかけになれば幸いです。

ゆるめるモ!は去年から止まらずに進化を遂げている。いや、実際には結成されてからずっとなのかもしれないが、たしかにベストを更新している。

2016/07/10 6'n' Roll History at 新木場STUDIO COAST

卒業ライブであると同時に半分解散ライブのような空気感に会場は包まれていて、後半の曲では会場は泣いているお客さんがたくさんいて、本当に卒業式のような、青春の終わりを感じるような、切なくて、あたたかくて、でもこの瞬間が一番輝いている、そんな場だった。

お客さんも、特に卒業する2人のファンは、一生で最後だから、この瞬間を目に刻み、自らの生き様や思いもこの瞬間に全てかける、そんな思いを感じさせるような熱狂っぷりで、凄まじい空間だった。

そんな客席の雰囲気を含めて、このライブがあまりにも良すぎてゆるめるモ!を好きになった部分もあると思うし、それと同時に、しばらく彼女たちのライブを見ても、この日のライブには及ばないと感じさせてしまうライブだった。

最後流れた新曲のMVは今までと全く異なる曲調でみんな驚かされたし、6人のライブで4人の曲を流すことに賛否両論だったけど、MVの最後に卒業する2人が登場する粋な演出にグッときた。

【セットリスト①】http://www.livefans.jp/events/638411
【セットリスト②】http://www.livefans.jp/events/638412

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2016/10/24 WE ARE A ROCK FESTIVAL TOUR FINAL -RETURN TO ZERO- at 恵比寿LIQUIDROOM

4人でもゆるめるモ!は建材であるということを感じさせてくれたライブで、箱庭の室内楽の演奏も過去より良いものだったけど、まだ曲をものにしきれていなくて、本当に死に物狂いでなんとか形にした感じだったし、何よりこの時代の曲をあまりメンバーが好きでないことも本領を発揮しきれない要因になった。

それでも、Sweet Escapeのカオティックな演奏は他に類を見ないようなオリジナリティを発揮していたし、上手ではないにしろ、メンバーが自らの手で楽器を練習して、メンバーのみで数曲を演奏したことは後の音楽との向きあい方に大きな影響を与えたはずだ。

【セットリスト】http://www.livefans.jp/events/679505

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2017/03/26 孤独と逆襲 ~てえへんだ!底辺だ~ ツアー at 渋谷O-EAST

強い意志と覚悟を感じさせられるライブで、コンセプトである「ゆるい」や「ゆるめる」「逃げてもいい」とは真逆を行く、生きることは戦いであるとも言わんばかりのライブで、長さもおそらく過去最短の90分程度で終了した。

この日はメンバーの意見を繁栄して楽曲制作やグッズ制作を行い、セットリストもメンバーで決めて、アイドルという演者から、自らが表現するアーティストとしての意識を高めるきっかけにもなったライブだと思う。

また、バックバンドを一新して、初のソロコンサートからライブを伴にしてきて、箱庭の室内楽からプロのスタジオミュージシャン達が担った。彼らのタイトな演奏と、メンバーとの適度な距離感も緊張感とメンバーのプロ意識の醸成に功を奏したように思う。また、代表曲の逃げろ!!は未演奏。
【セットリスト】http://www.livefans.jp/events/746974 

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2017/07/23 ディスコサイケデリカツアーファイナル at 赤坂BLITZ

逃げろ!!が久々に演奏されたり、ラストが頭空っぽにして楽しむ曲「なつ おん ぶる ー」だったように終始ひたすら楽しいライブだった。

前回の孤独と逆襲から4人での演奏が形になってきて、この日で遂に形になった感じがあって、メンバーひとりひとりが実力や心の状態が追いついて、自分のやりたいことを表現できているように見えた。

バックバンドとの親和性も高まって、バックバンドの方々も、いい感じにゆるさを出すようになっていた。新旧織り交ぜたセットリストもいいバランスで、6'n' Roll Historyぶりに映像でも何度か観てみたいなーと思ったライブで、4人それぞれの表現という意味では6'n' Roll Historyを遂に超えたライブだった。(6'n' Roll Historyは特殊すぎるので一概に比較はできないが)

正直、この頃に入る前までの行き詰まり感とかもあって、この後ライブにいくか悩んでいたんだけど、この日行ってまたライブに行こうと思えた。

【セットリスト】http://www.livefans.jp/events/795838

 

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2018/01/06 YOUTOPIA TOUR FINAL AT ZEPPTOKYO

今回は生演奏ではなく、演奏がオケだった、物足りなさは感じなかった。むしろそれによって、4人に集中できる形態だった。代わりに曲中にステージ上のアップを写す映像を流したり、コンセプト映像を流したり、歌詞を流すなど演出面に力が入っていた。また、曲間にもドラマ仕立ての映像で繋ぎを行うなど、ここでも新しい試み。

セットリストも終盤までアルバム曲のみで構成されており、一貫して、ユートピアという世界観を表現することに注力した演出だった。

メンバーの変化

しふぉんは、いつもと打って変わって曲中あまり客を煽らなかった。ようなぴは前よりも歌に感情がたくさん乗るようになった。けちょんは初期メンバーとしてチームを背負う意志を感じさせるような安定感があった。あのは、天性の才能と勘の良さはそのままに前よりも周りが見えるようになったように思う。全体のバランスを見たり、ポイントを抑えれるようになった。そして、命を削るような表現も変わらず健在だった。

ダイブとリフトを禁止ではないが、注意する呼びかけによて、リフトは後ろで行われるようになり、リフトをする回数も減り、注目が客席よりステージに向きやすくなった。

歌詞を表示して演奏された曲がいくつかあったが、いずれも小林愛さんの言葉の力を感じた。昔は、言葉とメンバーがまだ噛み合ってないというか、メンバーも言葉の意味をおそらく咀嚼しきれてなかったと思うのだけど、昔の曲はメンバーが言葉に歩み寄り、新しい曲はは小林愛さんがメンバーに歩み寄ったことで、どの曲も説得力我ましたように思う。

歌いたいこと、歌うべきこと、歌えること

また、彼女たちだから表現できること、歌えることを歌えていると思う。ひとりひとりがおそらく、今この曲たちを自分が歌う意味を、役割をおそらく感じていて、それが力になっているように見える。

ユートピア

お客さんの雰囲気ももガチ恋的な、俺の方を振り向いてくれ!感が薄れて、一緒にステージをつくる意識が高まり、メンバーを応援したり、見守る目線を持ちつつも、彼女たちが発するメッセージをまっすぐ受け取る空気感へと変化していた。

まさしくあの空間はユートピアで、全員が肯定されて、みんながキラキラしていて、色んな事を忘れられる、許されるような、正にユートピア(理想郷)がそこにあった。ゆるめるモ!がたどりついた場所、望む世界、願う世界。

【セットリスト】http://www.livefans.jp/events/841604

ゆるめるモ!の魅力とは

今日、ライブを見て感じたことや、4人時代の変遷を振り返りから、ゆるめるモ!の良さとは何かを改めて考えてみた。好きになったきっかけはプロデューサーの田家さんの音楽ヲタクっぷりから来る楽曲の他に類を見ない独自性と、魅力だったけれど、それだけではないものがあると思う。

人間くささ

今日MCでしふぉんはゆるめるモ!は「人間くさい4人」と言っていたけど、その人間くささがゆるめるモ!の良さなんだと思った。正直、相対的に見るとゆるめるモ!は他のアイドルに比べて可愛さも劣るし、年齢も上だし、グッズも決しておしゃれじゃない。

プロモーションも決してうまくないし、YyouTubeに流しているCMも完全に素人クオリティだ。だけど、それを許せて、応援したくなるような身近さや優しさがあるように思う。

アイドルとして

アイドルは自分を削りながら、お金を稼ぐために消耗したり、自分を偽ったり、異常に自分を追い込んだりととにかく厳しい業界だと思う。そんな中業界の中で生き残りながらも、でもゆるめるモ!は、自分らしさを捨てずにもがいているように見える。それはプロデューサーの田家さんが優しい人で、メンバーを自分の道具にするんじゃなくて、受容するような包容力のある人であることも大きいと思う。一方で音楽へのこだわりは強い。

僕がアイドルが好きな理由は人間勝負だからだ。そして、応援するファンもアイドル側も人間の欲とか、エゴとか、人間らしい部分が生々しく浮き彫りになっているところが好きだ。だけど、業界を見渡すと、アイドルの承認欲求とお客さんの欲望の消耗合戦のようにも見えて、それが息苦しい。

希望

そんな中で、身近にいるようなごく普通の人間が、特別な才能がある訳でなくても、自分と向き合って、お客さんと向き合って、悩みながらも、自分らしさを持ちながら前に進んでいく。そんな彼女たちだからこそ、お客さん一人ひとりの存在や人生を肯定できるんだと思う。

そんな姿を見せてくれるゆるめるモ!はアイドル界の希望だと思う。他人を蹴落としたり、自分を偽りすぎないアイドルの成功例をつくってほしい。 

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これから

今日、4人での再録ベストアルバムをファンの投票で出すことが発表されたので、特に好きな8人時代の曲がまたライブで聴けたり、新しい音源で聴けるのは嬉しくて、これからが改めて楽しみになった。

最近やっていなかった曲が復活する機会になるといいなー。昔の音源も再録してほしいと思っていたから嬉しい。

これからもアイドル界の異端児として応援しています!

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YOUTOPIA [通常盤]