true harmony

短文文化のこの時代に、感じたこと、考えたことを徒然なるままに。

銀杏BOYZの漂流教室を聴いて思い出した、あの夏の日。

あのときぼくは、たしかにここにいた。

銀杏BOYZを聴いて、何年か前かわからない夏のことを考えていた。どれがいつの記憶がわからないけれど、たくさんの景色がフラッシュバックする。

ライジングサンの昼間のEarth Tent、高校の学祭の湿度がやたらと高いサウナみたいな旧体育館、高校へ自転車で向かった道。

 

思い出す景色の中の自分は、どこかそわそわしていて浮遊感があって、だけどわくわくもしていて。やらなければいけないことなんて何もないけれど、やっておかないと不安になることとか、やらないともったいないんじゃないかってことはある。時間が惜しく感じられる。漠然とした不安感がある。今が特別で、まるですぐに醒めてしまう夢のようだから、醒める前に噛み締めなきゃって焦りがあって。

淡々と生きていたようで、ぐちゃぐちゃだった。今に比べたらずっとぐちゃぐちゃだった。でも目に入ってくる景色が、誰かと話す時間が、全てが愛おしかった。1日1日の昼休みが、10分休みが、放課後が、全てが愛おしかった。修学旅行みたいな特別感がずっとある感じ。


なんかもう地元にいた時のことが何十年も前のことに感じられる。地元のいろーんな景色。1年くらい帰っていない。飽きるほど毎日過ごした場所に1年も行っていない。訪れたたくさんの場所、もう二度と行かない場所もあるのかもしれない。そう思うと不意にさみしくなる。

昔のことを思い出すと、浮かんでくるのは景色とか空気感とか、その時の感情とか、そういうものばっかりで、不思議と誰かのこととか、人の言葉は全然思い出せないんだ。

でもなんだかいい意味でただの景色も全部人の香りかして、少し怖くて、あたたかくて。ああ、あの場所に確かに自分がいたのかー。本当に夢か現実かわからないくらいだ。

今のことも、いつかそうやって思い出す日が来るのかな。やることには追われる毎日だけど、どきどきしていたいよ。全ての時間が名残惜しいくらいでありたいな。

漂流教室

漂流教室