true harmony

短文文化のこの時代に、感じたこと、考えたことを徒然なるままに。

【新たに出会ったアーティスト - Vol.01】USAGI - 大衆性とメッセージ性を兼ね備えた王道の音楽

最近出会ったアーティスト

年を重ねるごとに新たなアーティストを聴く機会が減ってきて、音楽の趣向が高校3年生あたりでストップしているのではないか、と不安になる今日この頃。そんな中でも、ときどき新たなアーティストとの出会いがある。

そんなアーティストを何回かに分けて紹介する試みをはじめてみる。

せっかくなので、できるだけあまり名の知れていないアーティストを選ぼうと思う。今回は、2人組のユニットUSAGIです。

きっかけは佐久間さんと君の名は希望

杉山勝彦という作曲家

USAGIに出会ったのはギターの杉山勝彦さんの名前を調べたことがきっかけ。乃木坂46の『君の名は希望』って曲がいいなって思って、作曲者を調べてみたら杉山さんだった。そして、杉山さんがやっているユニットがUSAGIだと知った。

この曲に出会ったのは、僕が好きな音楽プロデューサーで2014年に亡くなった佐久間正英さんがきっかけで、佐久間さんに関するネットニュースを読んでいて、この曲のコラボの存在を知った。

※佐久間さんは、GLAYなどのプロデュースで有名な方で、僕の中での3大推しプロデューサーである織田哲郎さん、亀田誠治さん、佐久間正英さんのうちの1人。

以下のアルバムの曲目を見ていただくと、いかにJ-POPの名曲の多くに彼が携わってきたかが伝わると思う。

SAKUMA DROPS

SAKUMA DROPS

 

 

君の名は希望

乃木坂の生田絵梨花さんによるピアノ弾き語りに佐久間さんがコラボした音源は、YouTubeで聴けます。

原曲は聴いてもピンと来なかったが、こちらのバージョンはとても良い。アイドル感のない歌い方が好感触。合唱部出身なのでしょうか?ちなみに生田さんと佐久間さんは親戚なんだそう。


生田絵梨花 佐久間正英 君の名は希望 音源のみ

こぼれ話。秋元康さんの歌詞

歌詞は、「異性との出会いを通したアイデンティティーの確立」がテーマ。このテーマはかなりの王道で、国語の教科書とかにでてきそう。一人称が僕で、歌詞は男性目線。純な男子が主人公。正にファンタジー。

杉山さんが書く曲はこのような王道なテーマをもった詞を載せられるだけの、器の大きさがある。いきものがかりMr.Childrenのような、そんな器だ。

USAGI

素晴らしい作曲家である杉山さんだが、数々のアーティストに楽曲提供ができても、本当の夢であるアーティストになることを忘れられなかったそう。

USAGIは、そんな杉山さんとボーカリスト上田和寛の出会いから始まったユニット。

上田さんとの出会いを杉山さんは以下のように語っている。

「ステージの安定感やMCのうまさなど、一瞬で感じ取るものがありましたが、恐らくすごい回数を歌っているのに、この人は感動しながら歌っている。しびれた部分がありました」 

「感動する根っこの部分が、珍しいぐらい近くて。音楽への熱がやっと釣り合う人と出会いました」  


上田さんは、太くて存在感がありながらあたたかさを持った歌声の持ち主。LIVE映えしそうな歌を唄う人だ。

そんな2人から構成されるUSAGIは、大衆性をもっていて、メッセージ性が強い王道の音楽。認知度もまだまだだけど、第二のミスチルのような存在になれる可能性を秘めたユニットだと思う。

イマジン

代表曲であるイマジンは彼らの魅力が詰まった曲だ。時代性が合って大衆性がある、21世紀のキラーチューンなりえる曲だと思う。

歌詞

※歌詞の一部を抜粋

  • 1番Aメロ

「子供たちに夢を」
その言葉は大人たちの身勝手だろう?
誰もが皆 きっと 言葉ではなく 背中見て育った
大人たちが本気で 夢を描いて生きるのなら
言わずもがな 夢はリレーして行けるはずなのにね 

歌い出しから、歌詞がキテる!

そう、子どもたちは大人の背中を見て育つんだ。「夢を見ろ!」って言っている大人が、夢や希望のない姿勢なら、何も届かない。

僕は小さい頃から、「大人になるのは嫌なこと」みたいなイメージを植え付けられた気がするなあ。

  • 2番Aメロ

「将来何になる?」幾度となく書かされたよ
『何になるか』それを訊く前に
『何をしたいか』そう問うべきだろう

例えば『医者になる』 それはひとつの手段なんだ
『困る人を助けたい』と言えたら
迷うことなどない

学校などで、職業名を夢として言わされる違和感に、答えてくれる。そう、「何になるか」じゃない「何がしたいか」なんだ。

  • 2番Bメロ
成し遂げたい何かが胸にあるのなら
この指止まれ」そう声を出そう
隣にいる仲間に心を開こう

1人で夢を見る時代は終わった。これからは共に何かを創っていく時代だ。

そして、最期をこうしめくくる。

  • 曲の最後のフレーズ

「子供たちに夢を」その言葉がいらないほど
心のまま生きて行けるように いつかこの街がそうあるように

言葉じゃない、新しい「あたりまえ」をつくるんだ。

PV

正に現代版イマジンだと言える曲だ。PVの頭のMCから会場の空気感が伝わってくる。Apple Music等でアルバムが聴けるので、もっと聴きたい人はぜひ。 

最後に

改めて自分のアーティストとの出会いを振り返ると、ルーツをたどっていっての出会いが多いと感じさせられる。

好きな曲があれば調べて、プロデューサーは作曲、編曲等を調べる。インタビューを読んで、あげられている曲を聴いてみるみる。そうして、新たなアーティストや曲と出会えて、さらにまたそこから新たな出会いが生まれる、そんな連鎖がある。

小説とか映画もいっしょで、好きな作品から芋づる式にたどっていくと、どんどん世界が広がっていく。

そんなこんなで、いつになるかわからないけれど第2回をお楽しみに!

  

愛賛歌