true harmony

短文文化のこの時代に、感じたこと、考えたことを徒然なるままに。

【アルバム紹介】おしゃべりするようなアンサンブルが心地いい 『SAYONARA / SAKEROCK』

SAYONARA / SAKEROCK

星野源バンドマスターインストバンドSAKEROCKの最後のアルバムを聴いた。

SAYONARA

SAYONARA

彼らのアルバムを聴くのははじめてだ。つまり、最初で最後だ。と言っても録音技術とは偉大なもので、このアルバムを入り口にさかのぼることだってできる。蓄音機を発明してくれてありがとうエジソン

灯油ストーブの匂いといっしょにぽかぽかと聴きたい

冷たさが肌に刺さるような気温になってきたこの季節に、灯油ストーブで部屋をぽかぽかさせながら再生ボタンを押す。まさにこのシチュエーションにぴったり合うウォームな音が、なつかしいメロディーが部屋の中に広がった。ぼくは冬になるとハンバートハンバートを聴きたくなるのだけれど、この音から受ける印象はその感覚にとても似ている。

歌うトロンボーン、おしゃべりするようなアンサンブル

それにしても、トロンボーンがいい。トロンボーンが歌っているようだ。」ぼくの中でトロンボーンの響きは、数ある楽器の中でかなり独特な位置づけだ。この響きはなんだかまぬけな感じがして、フレンドリーな親しみやすさがある。ドジっ子のおじさんみたいなのに、もの哀しそうな顔も見せる。きっとふるまいはユーモラスだけれど、繊細な性格なんだろうな。人ではないけれど。

濃厚で複雑な楽曲たちではない。でも、おしゃべりするように楽器と楽器が重なっていくのが気持ちいい。喫茶店でざわざわと聞こえるしゃべり声みたいだ。

本を読んだり、部屋で作業をしたりするときに聴いていきたいアルバムでした。