true harmony

短文文化のこの時代に、感じたこと、考えたことを徒然なるままに。

東京の春の匂いをかぐと思い出すこと

ちょうど3年前。今働いている会社の面接で東京に来たのが3月中旬だ。

3月になって、あっという間に春気温になってきて、今日は匂いも変わってきた。ちょうどあの日と同じ。ちょっとくさい匂いがする。東京の春の匂いだ。

 

今日は、久しぶりに定時に帰った。同期と吉野家で牛丼を食べた。
家で映画を観た。ひょんな勢いで豊洲の方にある銭湯に自転車で行ってきた。
定時で帰るとびっくりするくらい色んなことができて驚かされる。
いつも大体今くらいの時間に帰ってきていたから。

枝川という街は、あまり足を踏み入れたことのない街だ。
豊洲に行くときも、別の道を通って通り過ぎてしまうので、普段は行くことがない。

初めて通る道、静かな夜、だけど車は走っていて、あの匂いがする。

 

北海道で生まれて、道外に出ることもほとんどなかった僕は、まさか自分が東京で働くとも、暮らすとも思っていもいなかった。

高校に入学した時は、大学に行くことも考えていなかった。死ぬまで地元にいるのだと思っていた。

田舎者の僕はどうしても、東京を特別視していた。高校生でバイトしているとき、東京から地元に帰ってきた人に何人にもあった。東京は冷たい、社会は厳しいというようなことを言われた。

 

就職活動でこっちに足を運ぶようになった。この街は物理的に孤独になることはない街だ。そして、意図すれば、誰も知らない場所に行ける街だ。

地元はどこに行っても知り合いがいる。会う人は大抵知り合いの知り合いだ。

東京は冷たい、社会は厳しい。そんなことをずっと直接言われるでもなく、押し付けられて来たような気がしている。

だけど、実際にこの街に足を運んでみて、僕は東京の人が冷たいなんて思ったことはない。むしろずっと人間らしい。人間をむき出しにしている。前のめりで生きることを誰も否定しない。夢を持つことだって恥ずかしくない。

 

 

東京の冬は北海道の夏に似ている。けど、東京の春と夏は、僕の記憶の中で東京でしか味わわない空気だから。

今自分が社会人何年目なのかわからなくなるけれど、二年目が終わろうとしている。4月から3年目。6人いた同期は4人になった。どんな3年目になるかな。楽しみ。